寝る前の部屋の明かりは、明るさが同じでも「光の色」によって体への影響が変わる可能性があります。
この研究では、就寝前に浴びる50ルクス程度の室内光について、通常の蛍光灯と、青色成分を減らしたLED照明を比べ、メラトニン・覚醒度・睡眠への影響を調べました。
参考:夕方の環境光のスペクトル調整がメラトニン抑制、覚醒度、睡眠に及ぼす影響【2018年】
【研究や論文は、chatGPTに著作権に配慮して、要点をまとめてもらっています。[ ]のメモは僕の意見・感想です】
結論
青色成分を減らしたLED照明は、通常の蛍光灯と比べて、就寝前のメラトニン抑制を有意に少なくしました。
具体的には、メラトニン抑制は通常の蛍光灯で56.5±4.9%、青色成分を減らしたLEDで24.6±10.3%でした。また、主観的な眠気には差がありませんでしたが、青色成分を減らしたLEDでは反応時間が遅くなり、脳波でも覚醒度の低下を示す変化が見られました。
一方で、総睡眠時間、睡眠効率、徐波活動については、光の種類による有意差は確認されませんでした。
内容の信頼性:8点/10点
健康な参加者16名を対象にした、入院環境でのランダム化クロスオーバー研究です。
照度、姿勢、睡眠時間、メラトニン測定などがかなり管理されており、信頼性は高めです。
ただし、参加者数が16名と少なく、睡眠への影響については有意差が出ていないため、睡眠改善効果まで強く言い切ることはできません。
何の研究か?
健康な若年成人16名を対象に、就寝前8時間の光環境を比較した研究です。
比較したのは、以下の2つです。
・通常の蛍光灯:50ルクス
・青色成分を減らしたLED照明:50ルクス
どちらも同じ明るさですが、青色光、特にメラノプシンに影響しやすい短波長成分を減らした場合に、メラトニンや覚醒度、睡眠がどう変わるかを調べました。
研究した理由は?
夜の光は、メラトニンを抑え、覚醒度を高め、睡眠や概日リズムに影響することが知られています。
特に青色光は、メラトニン抑制に関わる光受容システムに強く影響します。
ただし、これまでの研究では、強い光や一般的な寝室より明るい条件が多く、寝室レベルの明るさで青色成分を減らすことに意味があるのかは十分に分かっていませんでした。
そこでこの研究では、一般的な寝室に近い50ルクスの光で、青色成分を減らしたLED照明が有効かを調べました。
結果はどうだったか?
① メラトニンは青色成分を減らしたLEDの方が保たれた
就寝前に同じ明るさ(50ルクス)の光を浴びても、光の種類によってメラトニンへの影響は大きく異なりました。
メラトニン抑制率は、
- 通常の蛍光灯:56.5±4.9%
- 青色成分を減らしたLED:24.6±10.3%
でした。
つまり、青色成分を減らしたLEDの方が、メラトニンを抑えにくい結果となりました。
また、メラトニンの総分泌量(AUC)は、
- 通常の蛍光灯:41.4±7.7 pg/ml
- 青色成分を減らしたLED:72.4±19.9 pg/ml
で、青色成分を減らしたLEDの方が有意に高くなりました。
② 眠気の自覚は変わらなかったが、覚醒度は低下していた
参加者が感じる眠気には、光の種類による差はありませんでした。
しかし、音に反応するまでの時間(聴覚反応時間)は、青色成分を減らしたLEDの方が有意に遅くなりました。これは、通常の蛍光灯よりも覚醒度が低くなっていた可能性を示しています。
③ 脳波でも覚醒度の低下が確認された
脳波を調べると、青色成分を減らしたLEDでは、
- デルタ波
- シータ波
を含む0.5〜8.0Hzの脳波パワーが増加していました。研究者は、この変化を覚醒度の低下を示す結果として解釈しています。
④ 睡眠時間や睡眠効率には差がなかった
一方で、
- 総睡眠時間
- 睡眠効率
- 徐波活動(深い睡眠の指標)
については、通常の蛍光灯と青色成分を減らしたLEDの間で有意な差は確認されませんでした。
つまり、この研究では、睡眠そのものが明確に改善したとは言えませんでした。
⑤ 光を浴びる順番による影響もみられた
ただし、光を浴びる順番による違いは確認されました。
青色成分を減らしたLEDを先に浴び、その後に蛍光灯を浴びたグループは、逆の順番だったグループと比べて、2晩平均で、
- 総睡眠時間:約20分長い
- 睡眠効率:約5%高い
- 徐波活動:約5%高い
という結果が見られました。
まとめ
この研究では、同じ50ルクスでも、青色成分を減らしたLEDの方がメラトニンを保ちやすく、覚醒度も低下しやすいことが確認されました。
一方で、総睡眠時間や睡眠効率などの睡眠指標には明確な差は見られませんでした。
そのため、この研究から分かるのは、
「寝る前の光は明るさだけでなく、青色成分の量も重要である可能性がある」
ということです。
